アメフトとサッカー、どこが分岐点だったのか⑤アマチュアスポーツのセミプロ化と国際化(1)

前段で触れたように、高卒実業団組と大学4年間組は、ある意味同等の規格で立ち向かえるという格好にはなっています。
しかしここで問題になるのは「戦う相手」の存在です。
1つには高卒実業団組は早い段階で「外国籍選手」と相対する事になりますが、大学組にそれはありません。
マラソンの試合の格を上げようとすると、海外招待選手を呼ばねばならず、その結果「実は五輪代表から見ても格下」な選手とでも勝てない試合を組むことになる訳です。
※この格の維持に付き合わなかった為に格下げされたのが別大マラソンで、付き合った結果他の大会に勝てず消滅するのがびわ湖マラソン。どっちも後援が毎日新聞というのがなんとも。

サッカーはというと、メキシコ五輪のメダル獲得の後、実はアマチュアリズムが邪魔をして海外に勝てなくなっていった訳です。
それと同時に1970年代には国際航空網の整備により選手の移動が簡便になると、プロ選手の国際的移籍が活発になってきた訳です。
その1つのピークとなるのがW杯西ドイツ大会です。
2年前にミュンヘン五輪があったのですが、NHKの西田アナが現地取材に行くとミュンヘンに大きなスタジアムが建設中で、タクシーの運転手が「あれは2年後のワールドカップ用に新造しているんだ」と得意げに言ったというのです。西田アナは「たかが1競技の国際大会が五輪を差し置いて何を」と憤ったと回述されていますが……。
しかし2年後取材に来て圧倒されたといいます。

この後のモントリオール五輪が大赤字(モントリオール市は35年間の借金を払い続けた)で、これが原因で84年のロサンゼルス五輪から商業化に舵を切った訳ですが(80年モスクワについては、その後の北京五輪共々「国家社会主義体制での国威高揚」と「放映権による外貨獲得」の為の大会だった訳で、それに乗っかってテレビ朝日が独占中継権獲得しといてボイコット騒動で大赤字になったのは有名な話で、以降日本はジャパンコンソーシアム体制を取っている訳です-それをAFCの独占放映権で崩したのがテレビ朝日。この結果サッカー中継の質がテレビ朝日と日テレ寄りになってかなり低くなったのは事実です-)、

実際の所この西ドイツW杯によってアメリカに北米サッカーリークが出来た訳です(すぐに潰れたけど)し、かなりプロ選手という存在が商業ベースで世界的に活躍することが出来たという流れになるのですが、日本ではちーーーーーーーーっともそういう所に話が行かない。
そこで「日本サッカーを世界に羽ばたかせるには、五輪合わせでは無くW杯合わせだ」という事で長沼健さんや岡野誠一郎さんが準備を始め、最初の準備から10年で「選手のプロ契約の実施」にこぎ着け、そこから10年かけて「プロリーグの開設」にこぎ着ける訳です。

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