プロ選手・プロチーム・プロリーグ

 何カ所かでこの言葉が無造作に使われているので、個人的な「お気持ち表明」をしておきます。


1.この場合の「プロ」とは

その競技における「収入」から「報酬」を得る存在とします。
従って「タニマチがお金を恵んでくれているだけ」な現在のXリーグに於ける「実質プロ」はここでは含みません。


2.プロ選手/プロコーチとは

正式な雇用契約により「チームを運営する団体」と、指定された期間内に契約内容に定められた報酬を得る存在です。従ってチームの財務諸表に人件費として賃金が、厚生費として寮費(居住費=家賃・光熱費・水道代・通信費・食費)が計上されます。但し社会保険等に関しては個人負担の場合(いわゆる一人親方方式あるいは派遣契約方式)・チーム負担の場合(契約社員方式)に別れます。
そして「報酬からチーム運営費を支払わない」(=部費を払わない。リーグへの登録フィーは別です)というのが大前提。
また、競技に関わる負傷の治療費は所属中のチームがチームの加入しているスポーツ保険を利用して全額(但しファーストオピニオンのみ)を負担します。


3.プロチームとは

独立採算制であり、原則として競技に関する事業・広告・協賛金等で収入を得て運営される団体を示します。従って職員は雇用契約で賃金・社会保障等を全てチームが負担します。
※雇用形態は問いません。
選手全員がプロ契約である必要は無いでしょうが、原則として「所属選手・コーチ・スタッフはチーム運営費を支払わない」のが絶対条件です。
何より大事なのは競技興行での収入がチーム運営の基盤である、という事。
※この為、リーグはチームが地元とする地域でシーズン1試合以上を開催する義務を負います。
なお、競技興行に関してはリーグの示したシーズン・プレシーズンに限定されます。自主興行に関してはリーグが示した時期においてのみ可能になります。
※これは来たるべき社会人春シーズン廃止議論に際して、春シーズンに自主興行を認めるという意味を持たせています。
従って毎年決算し監査を受け財務諸表を公開する義務を負います。


4.プロリーグとは

プロチームによって行われる競技興行を統括し、リーグ戦とそれに伴うプレーオフを統括する、競技興行と広告・協賛金・助成金等で収入を得て運営される法人団体を示します。
この場合、最低限「試合を遂行するのに必要な審判」の管理はリーグ側の責務です。
セントラル方式あるいはリーグ統括方式にによるリーグ戦開催の場合は会場運営スタッフの手配、会場の手配なども含みます(※自主興行形式の場合は主催チームの責任で全て行う事になり、試合に於ける赤字もチームが負担する事になります)。
リーグ戦がプロアマ混在で開催される事は問題ありませんが、収支・費用負担等はプロアマ同等が原則です。
この場合、リークが得た広告・協賛金・助成金については
・自主興行時には「試合運営助成金」として、「審判員等の及びリーグ事務局の経費」と「将来に於ける事業への積立金」を差し引いて配布
・セントラル方式かリーグ統括方式の場合は「リーグ事務局の経費」と「将来に於ける事業への積立金」を差し引いて審判員経費を含めて試合運営費に充てる
※「将来に於ける事業への積立金」:海外遠征助成金やスタジアム建設に関する寄付など。実際日本協会主催ではあるがW杯日本開催の資金は社会人の積立金の取り崩しが大きかったと聞いた事があります。

ちなみに「協会」と「リーグ運営事務局」は別です。協会は「他協会・他リーグとの折衝窓口」として機能します(人は同じでも財布が違う)。協会の収入源は「選手・チームの登録フィー」と「協賛金・助成金」です。


ようは「タニマチに金払った貰っただけの人」は「プロ選手」とは呼べないと思うし、観客席を埋める努力が足りないチームが中心のリーグを「プロリーグ」とは呼びたくないなあという、そういうお気持ち表明です。
異論は認めます。

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