大学ビッグチームの分割登録論②学生アメフトにもベンチ入り人数に制限があってもいいのでは(2)

実は他競技では似たような話がなくもなくて。
よく聞こえて来るのはサッカー。
あっちはベンチ入りが15人。紅白戦が可能な人数として26人くらいいれば1チームとして昨日しそうなんだけど、大所帯だと100人越える事がある訳です。でも登録100人中公式戦に出られるのはどうあがいても30人弱……ほとんどの選手が出番無しで学生スポーツを終えていく訳です。

確かにスポーツ競技というのはピラミッド構造、いやさもっと厳しい言い方すれば壺毒(壺の中に大量の毒虫を入れて殺し合わせ、生き延びた最後の一匹が最強の毒使いである、というアレ。似たようなのに猫とかもある)の世界ですから、切り落とされる人たちが多数出るのは致し方無い訳ですが、それは同時に「競技から嫌な形で離れてしまう」事も意味します。
もしかしたら何かのきっかけで競技を続けるきっかけが生まれるかも知れないし底辺拡充に貢献できる存在がそこから羽ばたくかも知れない訳です。

壺毒をやると、結果として「非常にストイックな環境を強要される」事を嫌ってトップチームに人がよりつかなくなって競技そのものが廃れる可能性があります。

この問題、実に20年以上前から新聞で取り上げられているんですね。

直近で話題になったものとしては流通経済大のサッカー部。
あそこも100人近い大所帯ですが、
・関東大学リーグに参加するチーム(名義:流通経済大)
・JFLに参加するチーム(名義:流通経済大)
・関東社会人一部に参加するクラブチーム(名義:龍ケ崎ドラゴンズ)
に分けてシーズンを戦っています。年に何度かチーム編成を入れ替えています(JFLと関東社会人一部は通期、関東大学は春秋制)が、それぞれの資格で天皇杯予選には出てきます(実際JFL組とドラゴンズが試合をした事例があります)。

それ以前にも市立船橋でも「選手権を目指さないけどサッカーを続ける為のクラブチーム」が設立されたというニュースを見たことがあります。
同様の取り組みとして国士舘大柔道部でも「柔道を楽しむための、国士舘大柔道部傘下のサークル」というのが作られたというのを見たことがあります。

では、同じ理屈で「多重登録を防ぎつつ、競技者が大学卒業までの間、実戦経験を積みながら無理なく競技を楽しめる」環境をアメフトでも作る事が出来ないものなのか、という疑念がふつふつと湧いているのです……あのサイドラインに大挙して並ぶ選手の姿を見ると。

そして、壺毒である以上、ピラミッドである以上、やむを得ないことではあるとはいえ、途中退部上等という体育会系気質の中で競技と袂を分かつという、ある意味競技にとって不幸な離別を避けられる、のではないかなあと思うのですが、どうなんでしょう。

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