アメフトとサッカー、どこが分岐点だったのか⑥アマチュアスポーツのセミプロ化と国際化(2)

 サッカーに関してはよく川淵さんガーという人が居ますが、実はそれ以前に長沼・岡野ラインが足固めして(実務は木之元さんが一手に背負っていた)、その最後の方針を堅持して邁進したのが川淵さんなので、そこを履き違えると話が見えなくなります。

さて、この選手のプロ化というのは、実は「実業団として選手を囲い込む」事に対して少しずつ流れが変わることになってくるのです。

というのも、実はロス五輪以降海外の試合は「賞金の高額化による有力選手の確保」がメインとなりますが、日本はアマチュア規定があって賞金と副賞は選手が受け取れないルールになっていたのです(アマチュア=競技で稼ぎを得てはいけない)。これが後々いろんな局面で日本のスポーツ後進国化に拍車をかけることになります。

※現在国際大会でプロが出場できない競技にアイススケートとボクシングがありますが、アイススケートは国際的に選手が賞金と副賞を受け取ってもアマチュアです。

これは現在NCAAで「その利益を直接選手に配分すべき」という議論にも落ちてきているのですが、よくよく考えてみれば、国際的にも「高校相当を卒業したら社会人枠」という社会環境が徹底されている訳です(これは欧州型大学の観念と北米型大学の観念が異なる為でもありますが、よくよく考えてみれば4大スポーツの中で大卒しか雇用しないのはアメフトだけなんですよね)。

さらに考えてみれば北米型大学スポーツって「奨学金貰うしトレーニングは無料だし食事も寮も無料だし奨学金のお陰で授業料免除」って事はこれ報酬受けてるのと同じで、実質的にはセミプロなんですよね。

そういう意味で日本の高校スポーツのメジャーどころも同じなんですけどねー。そういう所はだあーれも見て見ぬ振りなんですよねー(棒読み)

サッカーのプロ化は次第に日の目を見ます。まずはメキシコ大会最終予選。日本より先にプロリーグを発足させていた韓国に「2戦で得失点差で上回ればW杯」という所まで来た(有名な木村和司の伝説のフリーキックの試合)上で、次のアメリカ大会予選でのドーハの悲劇に繋がります。

それと同時に外国籍選手(当初はセルジオ越後や与那嶺ジョージのような日系人、やがて外国人選手)の参入と同時に子供向けのサッカー教室を定期的に全国で開催することで、正しい記述の習得と競技の理解度を高める事に尽力してきました。

それと同時にW杯メキシコ大会からNHKの深夜枠で主たる試合の中継が始まった訳です。実はメキシコ大会といえば山本弘さんの「マラドーナ五連呼」+「神の手」ですが、ここから続くのがアフリカ旋風。特にカメルーンの英雄ロジェ・ミラは次のイタリア大会とアメリカ大会までスーパーサブとして登場しているのです。
※イタリア大会からは衛星放送のコンテンツになってます。

他の競技に於いて、国際的な枠組みが整って世界選手権が行われたのは、まず陸上(世界陸上)ですが、それ以前に国際化を遂げた柔道があります。こちらは「宗主国日本が大事にされて然るべき」という勘違いから国際化に遅れ、カラー柔道着やカラー畳などの対応で後手を踏み、タックル横行のスタイルを野放しにしてしまいました。

このように、国際化に関してセミプロ化にしても大幅に遅れていた日本に大打撃を与えた事件があったわけです。

それは第三回ラグビーワールドカップ南アフリカ大会。

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